界 鬼怒川

とちぎ民藝を現代に伝える人々

とちぎの地は江戸と日光東照宮に近いことから、さまざまな職人が集まり工芸品が発達しました。どれも生活の用に供された美しさをもつ物です。界 鬼怒川では益子焼、鹿沼組子、黒羽藍染を、客室やご当地楽などに設え、滞在を通してお客様にその魅力を感じて頂きたいと考えております。

益子焼

益子焼は、江戸中期からかめ、すり鉢、土鍋など台所用品として生産されてきた、あたたかみのある形と釉薬が特徴の焼き物です。プラスチック製品などの台頭により陶芸品の価値が高まったこと、大正時代に興った濱田庄司らの「民藝運動」により、「用の美」を持った工芸品として発展し続けています。

~伝統と現代を融合し、用の美を追求~
関 教寿(株式会社つかもと)

今回は、コーディネーター役として益子の作家のみなさんを紹介させていただきました。「つかもと」は益子焼の窯元でありますが、他の窯の企画販売もお手伝いさせていただいています。「今の用の美とは何か?」を作家のみなさんとともに考えながら、益子焼を進化させるさまざまな試みを行い、製品として形にしています。今回、界 鬼怒川では益子焼作家の中でも新進気鋭の実力のある方たちに作品を作っていただきました。ぜひその魅力をご覧いただけたらと思っています。

  • プロフィール
    1975年生まれ。益子で最大の窯である「つかもと」のスーパーバイザー。もともと「つかもと」で作陶の業務に従事していた経験を生かし、益子焼の作家さんを繋ぐコーディネーターの役割も務める。「益子原土会」、異業種連携グループ「とちぎの技委員会」(ブランド名 U)のスーパーバイザーにも従事している。

益子焼を現代に伝える作家たち

  • 陶彫 藤原郁三(藤原陶房)

    私は陶壁という分野で長く活動をしてまいりました。しかし、自身の心の底には愛嬌と悲哀を併せ持つ「邪鬼」という存在があり、ライフワークとして創作し続けています。邪鬼は、益子の土と自然釉薬から生まれた益子風土の塊です。今回、界 鬼怒川でみなさまをお迎えしますのは「元鬼(げんき)」といいます。15年前に作った鬼怒川温泉のキャラクター「鬼怒太」の弟分といったところでしょうか。温泉で元気を、いう思いを込めております。

    • プロフィール
      1946年生まれ。陶板レリーフで壁芸術を創作する環境陶芸家。1970年東京芸術大学美術学部卒。1975年独立 益子陶飾にて陶版レリーフ制作を開始。1983年益子に藤原陶房を設立。2012年「蛍硝子」第4回ものづくり日本大賞優秀賞受賞。陶彫邪鬼展も全国各地で開催。

  • 益子焼 大塚一弘(清窯)

    界 鬼怒川には私が作った花入などが客室に飾られています。昔からの益子焼と少し違うスタイルでして、絵付けはせず、糠白釉(ぬかじろゆう)という白い釉薬一色。形もかなりモダンなデザインです。数年前までは、父から引き継いだ益子焼の技法、仕様を素直に踏襲していましたが、益子「土祭」※の総合プロデューサーであった故・馬場浩史さんとの出会いをきっかけに、今を生きる益子焼を作りだしていく事にやりがいを感じています。※「土祭」三年に一度益子町で行われる益子の風土とは何かを考え、それを敬う祭。2009年、2012年、2015年の秋に開催された。http://hijisai.jp/

    • プロフィール
      1966年益子生まれ。1987年東京デザイナー学院工業工芸科卒業 卒業展で奨励賞受賞。その後、栃木県窯業指導所研究生修了。1989年父・大塚清章に師事。2005年国展初入選(その後4回入選)。2006年国展奨励賞受賞。栃木県芸術祭、栃木県美術展などで大賞等多数受賞。

  • 益子焼 萩原芳典(萩原製陶所)

    萩原窯の五代目として生まれたおかげで、幼いころからろくろを回し、窯焼きをしてきました。震災前は庭にある登り窯で年10回は窯焼きをしてました。窯焼きでおこる釉薬と土でおこる変化は、まさに土と火の妙。登り窯の他、ガス窯、電気窯、灯油窯などさまざまな窯で火と温度を変えて焼き重ねたりすると面白い物ができたりと、何百回作っても飽きる事はありません。界 鬼怒川では私の大好きな伝統釉薬の柿釉の土瓶などをご覧いただけます。

    • プロフィール
      1974年生まれ。1993、1994年栃木県窯業指導所伝習生研究生修了。1998年から全国各地で個展、グループ展を開催。2004年国展初出品初入選。栃木県芸術祭美術展入選。2005年、2008年国展入選、2007年国展奨励賞受賞、2008年国画会会友となる。

  • 益子焼 大塚雅淑(大塚健一窯)

    益子に生まれ、父に師事しながら長年制作を続けてきました。今回、界 鬼怒川にさまざまな益子焼が使われることになり、たいへん光栄です。益子焼に魅力はいろいろありますが、益子の自然から生まれた鉱物や灰などから作った伝統釉薬の美しさをぜひご覧いただきと思っています。私も手作りの藁灰などを使い釉薬の妙が出せるよう努力しています。益子の土と伝統の釉薬の美しさは大切にしながら、使いやすい薄さや軽さも追求しています。

    • プロフィール
      1976年益子町生まれ。栃木県窯業指導所で伝習生、研究生として学ぶ。1997年父・伝統工芸士大塚健一に師事、2004年国展初出品で初入選。他、栃木県芸術祭、栃木県美術祭で入選、受賞多数。2014年伝統工芸士認定。国画会会友。

  • 陶楽器・水琴窟 田村直巳(なの工房)

    私の作る陶器は器としての陶器の他、音を奏でる陶器があります。オカリナなど「陶楽器」といわれるものです。陶から生まれる音はふんわりと優しい音からシャープな高音まで実にさまざま。今回、界 鬼怒川では「ご当地楽」として陶楽器での演奏がされます。この曲も私が作っておりますので、ぜひ楽しんでいただければと思います。ラウンジには水を灌ぐと音を奏でる「水琴窟」も設置されています。ぜひ陶器で音遊びをしてください。

    • プロフィール
      1962年5月生まれ。1989年より益子在住し、「つかもと」に14年の勤務の後、独立。動物をモチーフにした陶器と、素焼きのリコーダーやフルートなど陶製楽器を制作。年2回程陶器市に出店。他、各地のクラフトフェアに出展。クラッシック愛好家でもあり市民交響楽団にも所属している。

黒羽藍染

栃木伝統工芸品の「黒羽藍染(くろばねあいぞめ)」は200年以上の歴史があります。もともとは藍の防虫や耐火の効果を利用し、仕事着である半纏などを生産して栄えてきました。天然の藍の色は深く力のある素晴らしい色です。界 鬼怒川では客室の建具やベッドライナーとして取り入れております。

~モダンな感性で藍染の可能性に迫る~
小沼雄大(黒羽藍染紺屋)

栃木県の伝統工芸品でありますが、化学染料が台頭してきた頃から藍染職人は姿を消し、現在では黒羽藍染技術と藍染めの甕(かめ)を引き継ぐのは私だけになってしまいました。「紺屋」では、藍染めに加え、松煙染め、草木染めなどを作っています。伝統的な暖簾、壁掛け、浴衣などもありますが、私が八代目となってからはスニーカーやシャツ、ブックカバー、アクセサリー、コースターなど現代の生活に取り入れやすい商品を加えました。界 鬼怒川で、より多くのみなさんに黒羽藍染を見ていただけたらと思っています。

  • プロフィール
    1985年生 栃木県立黒羽高等学校卒業後 松原与七先生に師事。24歳の時に家業を継ぎ、1804年創業の「黒羽藍染紺屋」の八代目となる。

鹿沼組子

日本各地に生産地がある組子は、日本間の欄間や建具を飾る贅沢な建具。江戸時代、日光東照宮の修復に全国から優秀な匠が集められ定住したことから、優れた技術が鹿沼に継承されてきました。界 鬼怒川では、客室やダイニングで鹿沼組子の緻密で優雅な細工を使用しています。

~木の清らかさと細工の美しさを~
豊田晧平(豊田木工所)

組子細工は森の恵みを人間の技で仕立てた木の文化の日本建築の中でも特別な存在です。鹿沼組子の材料は桧。製材し一番柾目の細かい所を薄く裂いて削り、角度の付いた切り込みを入れて、鹿沼の特産である麻の葉をモチーフにした「麻の葉」、吉祥文様の「亀甲」などを一枚一枚組んでいきます。その作業は熟練した技術と神経を使う仕事です。その美しい木と細工を豊田木工所で考案しました組子トレー、パーテーションなどでご覧いただけたらと思います。

  • プロフィール
    昭和22年創業の豊田木工所の代表。栃木県「活かそう!とちぎの技事業」で発足した、栃木県の伝統産業の作り手の共同組織「とちぎの技委員会」会長でもある。組子職人であると同時に組子の技術を使い今の生活にあった製品を生み出している。
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